新年最初の「見頃の花」の記事となりました。本年も、皆様に楽しんでいただけますよう、見ごろの花の情報をご案内しようと思います。よろしくお願いいたします。

 さて、当館では現在、フェア「菜の花まつり」を開催中です。屋外花壇で寒咲きの菜の花がだいぶ咲いてきました。冬でも元気いっぱいの花々を見ると、活力を分けてもらえるような気がしてきますよ。3月までは、20周年記念として、館内の入館料が無料となっていますので、ぜひこの機会にお立ち寄りください!

 今回は、酉(とり)年にちなんで、温室で咲く鳥の名前にちなんだ花から、見頃の花をご紹介しようと思います。



[温室]
【ゴクラクチョウカ】 バショウ科 ストレリチア属
 花の青色の部分を頭、橙色の部分を羽に見立てます。上を向いて飛ぶ美しい南国の鳥のように見える花はとても華やかです。当館の温室では、特に時期を選ばずに咲いていますが、現在は1階の鉢に植わったものが咲いています。
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【ドンベヤ】 アオギリ科 ドンベヤ属
 毎年お正月ごろになると咲き始める花木が、今年も開花を始めました。たれ下がったピンク色のボールのような花は、小さい花の集合で、径は10cmほど。温室1階、池のふちで咲いています。
 写真も中庭から撮ったものですが、中庭からだと花がよく見えますよ!
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 温室内だと、1階の橋のあたりで見られます。写真左奥の、光が当たっている木です。


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 温室2階では、以前紹介した「ユーチャリス」の花が何輪も立ち上がり、とてもよく咲いています。香りも良い白い花が楽しめますので、ぜひこの機会にご覧ください。階段のすぐ上です。



[アトリウムフラワーガーデン]
 館内、アトリウム花壇のテーマは「フラワーカラーを楽しむガーデン」。エリアごとに、いろいろな色の花壇が楽しめるようになっています。外はまだまだ冬ですが、館内は一足早くスイセンやチューリップなど、春の花々でいっぱいです。

【シンビジウム "スペースシティー"】 ラン科 シンビジウム属
 洋ランの中ではおなじみの、草丈が大きな品種が多いシンビジウムですが、今年もアトリウムにいくつかの品種を植栽しています。この「スペースシティー」は外側が緑色、中央の唇弁が白で、フレッシュな花色が魅力です。唇弁のふちが少し波打つように広がり、かわいらしいです。
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 入り口付近の花壇で見られます。この花壇は黄色い花を多く使い、早春の野山をイメージしています。

【エリカモドキ】 ユキノシタ科 バウエラ属
 オーストラリア原産で、成長すると高さ2mほどになる低木です。「愛のかんざし」という名前でも流通します。下向きに咲く花は冬から晩春まで咲きます。径1cmほど。ピンク色の縁取りがあり、かわいらしいです。名前の元になったエリカとは違って耐寒性がさほど強くなく、冬越しの最低温度は5℃程度なので、育てる場合は寒さと、乾燥にも弱いので水やりに注意します。
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 アトリウム中央の花壇はパステルカラーの花々で、やわらかい色あいです。


 このほか、アトリウムではスノーマンの住む森の中の家のようなかわいらしい寄せ植えや、
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 竹を使って和風に装飾した花壇も見られますのでお楽しみください。
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[うさぎの花屋]
 アトリウムにある常設展示、うさぎの花屋も模様替えしています。
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 店長うさぎのデイジーが着物でお出迎えしています。



[中庭]
【キンセンカ "コーヒークリーム"】 キク科 キンセンカ属
 属名の「カレンデュラ」や、別名の「ポットマリーゴールド」の名前でも出まわるキンセンカは、園芸上は冬から春にかけて咲く1年草として扱います。この「コーヒークリーム」は、花の中央部は茶色、花びらの表側はクリーム色、裏側が赤茶色の品種です。花の径は6cmほど。アンティークな色合いがかわいらしい品種です。冬でも晴れの日の昼間は、特に良く開きます。写真は朝に撮ったため、開きかけの花です。
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【キンギョソウ "トゥイニー ピーチ"】 ゴマノハグサ科 アンティリヌム属
キンギョソウは花の形が金魚に似ていることから名づけられた植物で、園芸上では耐寒性の1年草として、切り花用、花壇用などに用います。今回中庭で咲いているものは、庭植えや鉢植えに向いた草丈の低い品種です。明るいピーチピンクの花がかわいらしいです。
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 中庭は、冬に咲く1年草で華やかな花壇になっています。



[前庭]
 前庭では、ビオラやハナナ(菜の花)が見ごろとなっています。20周年なので、噴水近くの花壇は数字の「20」をデザインしています。
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 咲き始めた寒咲きハナナの花は、寒い日の朝には水分が下がり、首が垂れたようになります。しばらくするとしゃんと立ちあがります。冬ならではの光景です。



[通用路脇花壇]
 前庭の建物に向かって右側、トレリス(木の柵)越しにある通用路脇花壇でも、この時期ならではの植物の姿が見られます。
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 こちらは植物「シモバシラ」に、霜柱がついた様子です。根がまだ活動しているため、吸い上げた水分が結晶してこのような姿になります。冬の寒い朝限定の楽しみです。
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 当館は海際で暖かいため、あまり大きな霜柱にならないのですが、写真左手前の枯れ果てた植物「シモバシラ」の株元をよーく見ると、上の写真のようになっていることがあります。