三陽ミュージアムでは、今週から「コスモスフェア」が始まりました。ひとつ前の記事で詳しくご紹介していますが、前庭で2000株ほどのコスモスがお楽しみいただけるほか、植物企画展「コスモス展」の花壇を作り、八重咲き、筒咲きなど変わった咲き方をするコスモス20種類を展示しています。お越しの際はぜひ前庭のコスモス花壇にお立ち寄りください。

 館内、アトリウムの展示も今週から新しいテーマの秋花壇となりました。今回は、秋の花々と一緒に「ヘンゼルとグレーテル」の童話の世界が楽しめます。お子様でも楽しめる展示ですよ!
 それでは今回は、新しくなったアトリウムの展示から、見ごろの花をご紹介しましょう。

[アトリウムフラワーガーデン]
 「お菓子の家」が出てくる童話、「ヘンゼルとグレーテル」の色々な場面をテーマに、花壇がお楽しみいただけます。中央の花壇には大きな木を植栽し、まるで本当の森の中にいるようです。
 
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 入り口を入ってすぐの花壇は森のシーン。幼い兄妹は、いじわるなまま母のために森に置き去りにされてしまいます。
 
中央のきのこは椅子になっていて、大人の方でも座れます。

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 中央の花壇です。森の奥に進んだ兄妹はお菓子の家をみつけます。
 ダリアや、秋の花を配置してとてもかわいらしいお菓子の家。クッキーや飴玉で飾られていて、本当においしそうです。

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 優しく迎えてくれたおばあさんは実は悪い魔女で、兄のヘンゼルはつかまって檻(おり)に入れられてしまいます。
 檻の中や、下に出てくるかまどの中にも入れるようになっています。

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 妹のグレーテルがかまどに入った魔女をやっつけると、家の中には宝石や金貨がたくさん現れました。
 かまどもとてもおいしそう。えんとつはたくさんのドーナツです。


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 兄妹はその宝石などを持って水鳥に乗って家に帰り、幸せに暮らしました。

 こんな、物語と一緒に楽しめる花壇です。どうぞごゆっくりご覧ください。花壇を彩る花々もいくつかご紹介します。
【スプレーマム “ダンテ”】 キク科 キク属
 キクの鉢植え品種のひとつで、大きめの花が美しいです。草丈は40cmほど。花びらがややとがったような形になります。色は濃赤色。菊は「和風の花」という印象が強いですが、洋風な花壇でもよく合います。今回は、ヘンゼルが入れられた檻の近くで見られます。
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【ノボタン “コートダジュール”】 ノボタン科 ティボウキナ属
 シコンノボタンの園芸品種で、シコンノボタンよりはやや花弁や葉が細く、矮性の品種です。花の径は5cmほど。花色は紫で、内側の雄しべの部分が白いのが特徴的です。よく花をつけますが、花はすべて1日花で、夕方には散ります。こちらは、お菓子の家がある花壇の外側、柵のあたりで見られます。
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 アトリウムでは、奥の花壇も模様替えしました。たき火(かまど)と、カラーリーフを使った秋らしく暖かい色の寄せ植えが見られます。



[うさぎの花屋]
 アトリウムにある常設展示、「うさぎの花屋」もアトリウムと一緒に模様替えしました。こちらの展示でも童話の世界が広がります。
 奥にある花の中にも、小人が何人も。かわいらしい展示をどうぞお楽しみください。
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[ベランダガーデン]
[植物企画展]
 屋上・ベランダガーデンでは、植物企画展の「コリウス展」を開催しています。およそ70種類の、カラフルな葉っぱ、コリウスが並び、花がなくてもにぎやかな空間になりました。
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 これから寒さにあたると、色が一段と鮮やかになります。

【コリウス “ブロンドガール”】 シソ科 コリウス属
 シソによく似た形の多いコリウスのなかで、とても変わった細長い形の葉が特徴の品種です。色も赤色の外側に黄緑の縁取りが入り、なんとも言えません。去年発売の新しい品種群、「葉っぱのコリン」のひとつで、コンパクトにまとまる種類なので、マンションのベランダなど狭い空間でも楽しむことができます。
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[前庭]
 コスモスも、そのほかの秋の草花もこれからどんどん茂ってきます。現在のコスモス花壇は大人のひざくらいの高さです。
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 花はたくさん咲いています。

【カクトラノオ】 シソ科 フィソステギア属
 別名は「ハナトラノオ」、北アメリカの東部原産の宿根植物です。日本には大正時代に入ってきて、花壇用や切り花用としてよく栽培されます。耐寒性が強く、丈夫です。花色は、紅色、淡紅色、白があります。
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[脇庭]
【ホトトギス】 ユリ科 ホトトギス属
 ホトトギスの仲間は日本国内には10種ほどが自生します。花にある斑点模様が鳥のホトトギスの胸の部分の模様に似ていることから、この名になったといわれます。当館のものは園芸品種ですが、やはり斑点模様が独特です。
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 脇庭の園路沿いで見られます。



[ローズガーデン]
【シュウメイギク】 キンポウゲ科 アネモネ属
 日本に野生状態でも見られる植物ですが、古くに中国から渡来したと考えられています。京都の貴船神社周辺でよく見られるので、別名は「キブネギク(貴船菊)」といいます。和名、別名とも「キク(菊)」と名前につきますが、春の花アネモネやニリンソウと同じ仲間です。
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