三陽ミュージアムでは、現在「ローズフェア」を開催中です。ローズガーデンでは、主に「バラのコテージ」というエリア周辺のつるバラ類がよく咲いています。宿根草や1年草の、バラと一緒に見られる花々も大変きれいに咲いておりますので、どうぞ合わせてお楽しみください。
 
 館内、アトリウムはバラや西洋アジサイ、カスミソウなどを植栽した「初夏のナチュラルガーデン」がテーマの花壇です。
 アトリウムのお隣、光庭では植物企画展「さわって香りを楽しむハーブ展」を開催しております。香りがさまざまだったり、手触りの独特なハーブに実際に触れてお楽しみいただけます。

 では今回は、現在のフェアの主役、ローズガーデンのバラから見頃の花をご紹介します。

[ローズガーデン]
【バラ “セント・セシリア”】 バラ科 バラ属
 先週の記事でもご紹介した「イングリッシュローズ」の品種のひとつです。淡いピンクやアプリコット色の乗る中輪の花が、開いていくとカップ咲きになり、そのまま形が崩れずに咲き続けます。淡い色合いがとても美しい花です。
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【宿根リナリア】 ゴマノハグサ科 リナリア属
 この時期のローズガーデンで、白いレースのような花、「オルレヤ」とともに、大変活躍する花です。茎の先端に、茎を取り囲むように、穂のような円錐型の花を咲かせます。花のひとつひとつはとても小さく、1cmもないくらいです。宿根草である上に、こぼれ種でもよく増えます。当館の気候にかなり相性が良い花です。
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 1年草や花木(ウツギ)もよく咲いています。

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 「バラの海」の白い花のコーナー。バラの他に、クレマチスやニゲラが元気に茂っています。

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 ローズガーデンの入り口、ハーブの小庭でも、花々が咲き始めています。後程ご紹介しますが、写真手前の白っぽい葉の「ラムズイヤー」が、とてもきれいに咲いています。



[アトリウムフラワーガーデン] 
【スモークツリー “グレース”】 ウルシ科 コティヌス属
 原種は南ヨーロッパからヒマラヤ、中国にかけて分布します。花の咲いた後に、花序(花の集まり)がふんわりとした羽毛状になるのが特徴で、スモークツリー(けむりの木)の名前もそこから来ています。和名は別にあり、「ハグマノキ」といいます。
 最近では葉色や花序の色がいろいろに変わる園芸品種がたくさんあります。今回アトリウムで見られる品種は、葉も花も深い赤色です。
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【クレマチス “白万重”】 キンポウゲ科 センニンソウ属
 たくさんあるクレマチスの品種の中で、この白万重(しろまんえ)は、「フロリダ系」というグループに入ります。元々は中国が原産で、日本でも古くから栽培される「テッセン」という名前の品種の枝変わり(突然変異種)で、弁化(雄しべが花弁のように変化)した中心部の小さな花びらが、白い色になります。大きさは径が8cmほどで、クレマチスの中でも人気の品種のひとつです。
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[光庭]
[植物企画展]
 光庭では、植物企画展の「さわって楽しむハーブ展」を開催しております。タイム、ミント、ハーブゼラニウムなど、いろいろな香りの楽しめるハーブ類など、多数展示しております。
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【ラムズイヤー】 シソ科 スタキス属
 和名は「ワタチョロギ」。原産は、コーカサスからイランにかけての地域です。英名で「ラムズイヤー」(子羊の耳の意)という通り、やわらかい毛の質感や厚みが、まさに子羊の耳ですので、ぜひ触ってみてお楽しみください。。上のローズガーデンの写真でもご紹介しましたが、庭植えにした場合はやや横に広がる性質があり、銀葉のカラーリーフとして活躍します。花は今の時期に咲き、赤紫色です。
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[中庭]
【アークトチス グランディス】 キク科 アークトチス属
 南アフリカ原産。ガーベラのような、長く伸びた先に花をつけるキク科の植物です。草丈は60cmほど。葉から花まで、すべて銀色を帯び、花の中心部は青色を帯びます。宿根草ですが、日本では1年草として扱うことが多いです。
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 中庭内、一段高くなった花壇で見られます。

  

[温室]
【モンヨウショウ】 クズウコン科 マランタ属
 ブラジル原産の植物で、ほふく性があります。楕円形の葉に特徴的なもようが入ります。夜に葉が閉じる性質があり、英名で「prayer plant」(プレイヤー・プラント:お祈りの木の意)の名があります。当館温室では木の下に 生えていて、あまり目立たないのですが、現在、とても小さい花が咲いています。
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 温室に入ってすぐの通路の左手側、足元にあります。

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 温室では、ヒスイカズラもまだ見られます。現在良い花が見られます。



[エントランス]
【リシマキア “アウトバックサンセット”】 サクラソウ科 リシマキア属
 リシマキアは日本に自生する「オカトラノオ」と同じ属の植物で、立ち性のものや這性のものなど、さまざまな性質を持つ種類があり、園芸品種もたくさんあります。
 この「アウトバックサンセット」は、這性のやや大きな斑入りの葉、黄色の枝先に集まって咲く花が特徴的な園芸品種です。去年から植えていますが、冬を越え、現在エントランスの花壇でよく咲いています。
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 「Lysimachia congestiflora」という種が原種のようです。
 
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【ビスカリア】 ナデシコ科 シレネ属
 ビスカリアはナデシコ科の1年草で、5月から6月にかけて紫や桃色、白などの花を咲かせます。ビスカリアという名前は古い学名から来ています。「ムギセンノウ」と呼ばれる「アグロステンマ」に似てやや小型のことから、「コムギセンノウ」と呼ばれることもあるようです。花茎が細く、長く伸び、柔らかい印象の花です。
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