三陽ミュージアムでは、現在「ひまわりフェア」を開催中です。前庭の建物入り口に近いエントランスの部分では、「ヒマワリ展」を開催中で、咲き方や色、大きさも様々なヒマワリを展示しています。先週よりもいろいろな花が咲きそろい、見比べるのも楽しいですよ。
 植物企画展は、館内でも展示を行っています。館内、光庭では、「変化アサガオ展」と、こちらは引き続きになりますが、「グリーンカーテンにできるつる植物展」も開催中です。つる植物展でも様々な種類のアサガオを展示していますので、この機会にちょっと変わった花々をお楽しみください。

 では、今週は光庭で開催中の植物企画展から、見ごろの花をご紹介していきましょう。



[光庭]
[植物企画展]

[変化アサガオ展]
【変化アサガオ】 ヒルガオ科 イポメア属
 アサガオははるか1200年ほど昔の奈良時代に、薬用植物として大陸から渡来したといわれますが、江戸時代にアサガオのブームが起こり、とくに突然変異でできる変わった花々は、鑑賞用として好まれました。このような変わったアサガオの花々のことを「変化アサガオ(へんかあさがお)」と呼び、当館でも毎年、種から育てる講座を開講しています。変化アサガオ展では講師と受講生の作品を展示しており、およそアサガオらしくない花々が見られます。
 
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 花びらが切れ込み、八重咲きになる「采咲牡丹(さいざきぼたん)」の咲き方の花

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 とても変わった咲き方、「獅子咲き(ししざき)」の花

 
 花の他に葉も変異し、形や色のつき方などで呼び方が決まっています。
 この機会にどうぞ、ご覧ください!


[グリーンカーテンにできるつる植物展]
 つる植物展のほうのアサガオにも、変化アサガオに負けずに変わった色や咲き方のものがあります。同じく光庭で見られますので、どうぞご覧ください。

【西洋アサガオ “サンライズセレナーデ”】 ヒルガオ科 イポメア属
 八重咲きの花が咲くアサガオで、花の色は濃いピンク色です。ボリュームのある花がとても個性的です。8月も後半に入り、ようやく咲き始めました。
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【西洋アサガオ “ジャーマンピンク”】 ヒルガオ科 イポメア属
 商品名は「ドイツ朝顔」といいますので、そちらの名前のほうが一般的かもしれません。花びらの縞模様がかわいらしいアサガオで、花によって模様の出かたに違いがあるのも面白いです。この種類も、最近になってようやく咲き始めました。たくさんの花が一度に開き、華やかです。
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[アトリウムフラワーガーデン]
【センニチコウ “ラズベリーフィールド”】 ヒユ科 ゴンフレナ属
 アメリカのテキサスや、メキシコが原産の「キバナセンニチコウ」の園芸品種で、実際は宿根草ですが、1年草として扱います。こぼれ種でも育つようです。色のついた部分は苞のため、長い間花が楽しめます。
 品種違いの「ストロベリーフィールド」は赤花、この「ラズベリーフィールド」はピンク色の花です。両方とも、アトリウム入り口の花壇、イチゴのもようの一輪車で見ることができます。
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 草丈はだんだんのび、80cmほどになります。

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 こちらが赤花の「ストロベリーフィールド」です。



【ゲッキツ】 ミカン科 ムルレイア属
 漢字では「月橘」という常緑の低木で、インドから中国南部、国内では沖縄など、アジアの暖地に分布します。花は白い5弁花で、芳香があり、葉はつやのある羽状複葉です。熱帯地方では、生垣に利用します。
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 イチゴのキッチンのある花壇で見られます。



[温室]
【オウゴチョウ】 マメ科 カエサルピニア属
 西インド諸島が原産といわれるマメ科の植物で、当館では例年、夏休みに入るくらいの時期から花をつけます。背の高い木で、やや高いところで花を咲かせるので視界に入りづらいのですが、赤い色の雄しべや雌しべが長くのび、華やかで美しい花です。
 温室1階、橋の上から温室入り口の方を向くと、やや高い場所で咲いています。
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 写真中央、細長い葉の茂った木の手前あたりで咲いています。


 
[エントランス] 
[植物企画展]
 建物の入り口周辺では、植物企画展の「ヒマワリ展」を開催し、鉢植えのヒマワリを展示中です。現在、たくさんの品種が見ごろになっています。今回も、この中からいくつかご紹介します。


【ヒマワリ】 キク科 ヘリアンサス属
 夏の花の代表のひとつ、ヒマワリは、北アメリカ原産の1年草です。花壇や切り花に利用し、種は食用にしたり食用油を採ったりします。日本には江戸時代に渡来しました。
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【ヒマワリ “テディーベア”】 
 明るいオレンジ色の花で、こんもりとボリュームのある丸い花が魅力の八重咲き品種です。草丈は伸びても80cm程度と、低めの品種で、枝分かれして咲くので長い間花が楽しめます。
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【ヒマワリ “クラレット”】 
 180cmほどになる高性のヒマワリで、濃いワインレッド色の花が美しい品種です。黄色やオレンジが多い中で、この「クラレット」のように赤や茶など濃い色の品種は目を引きます。花粉の出ない品種のため、切り花にも向きます。
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【ヒマワリ “モネのひまわり”】 
 草丈は120cmほど、八重咲きの花は色が鮮やかなレモンイエローです。「画家シリーズ」という画家の名前がついたヒマワリのシリーズのひとつで、モネの他にマティス、ゴッホ、ゴーギャンのひまわりがあります。
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【石巻のど根性ヒマワリ】
 宮城県石巻市で、東日本大震災の津波で流れ着いた種が花を咲かせたヒマワリの子孫で、今年のものは4代目です。建物脇の花壇で、ヒマワリらしい元気な花を咲かせています。
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[ローズガーデン]
【ネコノヒゲ】 シソ科 オルトシフォン属
 インド、マレーシア原産の植物で、花の中から飛び出す雌しべや雄しべを猫のヒゲに見立てて、このような和名があります。屋外では冬越しができませんが、初夏から秋にかけては、屋外花壇でも次々に花が咲き、長い間楽しめます。名前のおかげか、当館でも人気の花のひとつです。
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【ユーパトリウム コエレスティナム】 キク科 ユーパトリウム属
 ユーパトリウムの仲間は日本のフジバカマの近縁種で、この種類は紫色の、アザミを小さくしたような花が次々に開き、かわいらしいです。草丈は60cmほど。こんもりとした株に育ちます。原産地は北アメリカで、紫色の他に白色の園芸品種もあります。
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 暑い夏を越えて、暑さ疲れの花々も元気を取り戻しつつあります。