三陽ミュージアムでは、本日より「ハーブフェア」が始まりました。館内の光庭では、ミントやタイムなど香りを楽しむハーブを展示した植物企画展を開催中です。
 アトリウム花壇で、本日より新しいテーマでの展示が始まりました。新しいテーマは「イチゴ姫のベジタブルガーデン」。花と一緒に、野菜やナッツ類の木などが植栽され、雰囲気ががらりと変わりました。
 花壇の中には、イチゴをモチーフにした一輪車や棚なども置かれ、お子様でも楽しめる展示となっています。
 
 それでは、梅雨に元気になる前庭のお花から、今回はご紹介しようと思います。

[前庭]
【クレオメ】 フウチョウソウ科 クレオメ属
 クレオメは熱帯アメリカ原産の植物で、日本には明治のはじめに渡来しました。蝶々が舞うような花をつけ、例年だと6月の終わりごろに見ごろを迎えます。今年は見頃になるのが早く、現在すでに美しく咲きそろっています。ほかの花が雨降りで元気がなくなる中、クレオメは曇りや雨の方が好きなようで、日差しがない日の方が一日中美しく咲いています。
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 お天気の日には逆に早くしおれてしまいます。朝のうちがきれいです。

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 前庭では約2000株が見ごろを迎えています。



[アトリウムフラワーガーデン]
 アトリウムは、新しいテーマ「イチゴ姫のベジタブルガーデン」になりました。アトリウムの中央の花壇には、去年のクリスマス以来、2度目になるイチゴ姫のおうちが登場しました。
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 家の前のテーブルには、野菜やハーブの鉢が並んでいます。この花壇では、花壇の中や家の中に入れます。

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 入り口すぐの花壇には、イチゴ柄の一輪車が!荷台の中は、イチゴの苗でいっぱいです。

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 ベジタブルガーデン(野菜の庭)がモチーフなので、ミニトマトなども見られます。

【マンデビラ “レッドインパクト”】 キョウチクトウ科 マンデビラ属
 マンデビラはメキシコからアルゼンチンにかけて分布するつる植物です。春から秋によく開花します。現在では、「緑のカーテン」の材料などにも利用されるようになっています。この「レッドインパクト」は、大輪の赤い花が咲く種類で、咲きはじめは薄い色が、だんだん濃くなっていきます
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 大きな花と、つやのある葉が印象的です。

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 イチゴ姫のテーブルと、イチゴの棚がある花壇。この花壇にも入れるようになっています。
 


【シホウカ】 ナス科 ソラナム属
 オーストラリアやニュージーランドが原産の低木で、大きくなると3mほどになります。紫色の、同じ仲間のナスに似た丸い形の花をつけ、花の径は3cmほどです。中央のおしべが黄色く目立ちます。シホウカは漢字で「紫宝華」と書きますが、通称で、和名ではありません。「シホウゲ」と読むこともあるようです。
 アトリウムで、初夏の林を思わせる花壇にあります。和風の庭にもよく合いそうな清楚な花です。
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 花壇の中に小川が流れています。水音が涼しいです。



[光庭]
【ツルコベア】 ハナシノブ科 コバエア属
 メキシコ原産のつる植物で、花とがくをカップと受け皿にみたて、英名は「cup and saucer vine(カップアンドソーサーバイン:バインはつる草のこと)」といいます。釣鐘型の花をやや下向きにつけます。中からおしべが飛び出して伸び、華やかです。
 今回、鉢植えを光庭で展示しています。今咲いている花が終わったら、次のつぼみがふくらむまで、しばらくかかりそうです。
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 茶色い植木鉢がコベアの鉢です。

[植物企画展]
 光庭の壁沿いでは、植物企画展「香りを楽しむハーブ展」を開催中です。飾ってあるハーブ類は葉にさわっても大丈夫ですので、直接触れて香りをお楽しみください。
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【オレンジミント】 シソ科 ハッカ属
 ミントの仲間はヨーロッパ、北アフリカ、アジアに分布する多年草で、日本にも同じ仲間のハッカ(薄荷)が自生します。すっとした香りがあり、そのまま葉をハーブティーや料理に利用したり、精油を香料として利用したり、様々な場面で活躍するハーブです。種類によって香りが異なります。この「オレンジミント」はオレンジに似た爽やかな香りのある種類で、やや葉は薄めの印象です。葉の縁や葉脈がやや赤い色になります。
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[温室]
【スイレン “マンカラウボン”】 スイレン科 スイレン属
 スイレン(睡蓮)の仲間は、世界各地の熱帯、亜熱帯、温帯に40種ほどが分布します。大きく、熱帯スイレンと温帯スイレンに分けられますが、この「マンカラウボン」は温帯性のスイレンです。花の外側の花弁は淡い桃色、内側はクリーム色になり、とても美しい花です。温室の池で咲きます。
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 温室の池では、実は中庭から引越してきたメダカがたくさん暮らしています。よく見ると、群れをなして泳いでいる姿が見えますよ。

【パイナップル】 パイナップル科 アナナス属
 温室では観賞用のパイナップルが見られます。実はいつでも見られますが、たまにしか見られないのが、パイナップルの花です。下の写真のパイナップルの赤ちゃんのようなものが花の集合で、紫色の筒状の花弁が伸びて咲きます。飛び出た部分の長さは1cmほどです。
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 階段の脇を奥に入った果樹のコーナーにあります。

 

[ローズガーデン]
【チコリ】 キク科 キコリウム属
 ハーブ展の展示ともうひとつ、見ごろのハーブをご紹介しようと思います。チコリはヨーロッパ原産の多年草で、150cmほどの草丈になります。食用にする場合は、軟白した葉をサラダや料理の付け合せにします。独特の苦みがあり、レモン汁を加えることが多いです。花は青く、かわいらしい花が咲きます。現在、ローズガーデン入り口のハーブの小庭で見ごろになっています。
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 かなり草丈が伸びます。

 
 このほか、ローズガーデンではバラやスカシユリ、ダリアなどが見ごろです。どうぞお立ち寄りください。
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