三陽ミュージアムでは、現在「ローズフェア」を開催しています。ローズガーデンのバラはまさに見ごろ。
とてもきれいな庭を、ぜひご覧ください。
 6月1日(日)には、イベント「ローズデー」を開催し、普段は行わないローズガーデンのガイドツアーや、ローズガーデンでのコンサートを予定しています。館内でも、バラとハーブを使った小さな花束「タッジーマッジー」や、グリーティングカードを作る体験教室を予定しております。どうぞ、バラでいっぱいの一日をお過ごしください。

 館内、アトリウムは引き続き「魅惑のパティオガーデン」のテーマで、南欧風の庭がご覧いただけます。今週は、ちょっと珍しい花も植栽されましたので、ご紹介したいと思います。
 このほか、館内の光庭では、植物企画展「花を楽しむハーブ展」を開催しております。

[アトリウムフラワーガーデン]
【ニコチアナ “ライムグリーン”】 ナス科 タバコ属
 ニコチアナは、園芸上では、タバコの近縁で花を楽しむ数種のことを呼ぶ総称です。日本語で「ハナタバコ」ともいいます。主に、ブラジル南部原産の「アラタ」種を元にした園芸品種が多いです。
 花はラッパ型で、何輪かがまとまって咲きます。一つずつの花の径は2cmほどです。今回、アトリウムで見られるものは草丈40cm程度です。
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 入り口を入って左側の花壇、柱の周りで見られます。

【スターツデザートピー】 マメ科 クリアンツス属
 学名は「クリアンツス・フォルモスス(Clianthus formosus)」といい、上の名前は英名です。オーストラリア西部の乾燥地が原産で、鮮やかな赤色の花が茎を取り囲むようにつきます。花の縦の長さが7cmほどです。上側の花びら(旗弁)の基部が丸く突出し、黒色の目になるのが特徴です。日本では、昭和のはじめに栽培記録があります。
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 入り口を入って右側の花壇、窓の下で見られます。

【ニカンドラ】 ナス科 ニカンドラ属
 ニカンドラは、ペルーとチリに分布する1年草で、「黒ホオズキ」や、英名の「shoo-fly plant」から、「シューフライ」などの名前で流通します。浅いカップ状の花が特徴で、花の色は青色、中心が白色になります。花の径は4cmほど。あまり見かけない花ですが、かわいらしいです。 
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 アトリウム中央の花壇、アジサイなども色鮮やかです。



[光庭]
[植物企画展]
 光庭では、植物企画展「花を楽しむハーブ展」を開催中です。

【マロウ】 アオイ科 ゼニアオイ属
 マロウは、食用、薬用に使うハーブで、草丈が大きく、当館にあるものは150cmほどか、それ以上あります。特にハーブティーが有名で、青い色が出るので「マローブルーティー」などと呼ばれます。青い茶はレモンを入れると一瞬でピンク色になり、美しいです。
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 光庭では鉢植えが、ローズガーデン入り口の「ハーブの小庭」のコーナーでは、花壇に咲く花が見られます。



[温室]
【ホヤ ベラ】 ガガイモ科 ホヤ属
 インド原産の這性の植物で、吊り鉢などに向きます。径が1cmほどの花が10個ほどまとまった花の集まりをつけます。伸びた茎の途中から花が下向きにつくので、やや見づらい場所に咲く花ですが、蕾も花もとても可愛いです。
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 温室1階のいちばん奥、写真左側のフェンスにかかった鉢で見られます。



[キッチンガーデン]
【ジャーマンカモミール】 キク科 マトリカリア属
 ジャーマンカモミールは、「カミツレ」とも呼ばれるキク科のハーブで、上でご紹介したマロウと同じく、ハーブティーによく使われます。リンゴに似た香りがあり、安眠とリラックスの効果があるといわれます。栽培は容易で、日当たりと水はけのよい場所で育ちます。
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 キッチンガーデンでたくさん咲いています。



[屋上日本庭園]
【テイカカズラ】 キョウチクトウ科 テイカカズラ属
 テイカカズラは、日本の本州、四国、九州に分布するつる植物で、照りのある葉と、芳香のある白い花が特徴です。花の中央部が黄色になります。径は2cmほどのラッパ型です。和名のテイカカズラは、謡曲「定家(藤原定家)」に由来します。
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 日本庭園の入り口両脇で咲いています。



[前庭]
【スイカズラ】  スイカズラ科 ロニセラ属
 スイカズラは、日本や中国に自生するつる植物で、暖地では冬も落葉しないため、別名「忍冬(にんどう)」とも呼ばれます。この仲間は、甘い香りのある種類が多く、英語ではこの仲間を「ハニーサックル」と呼びます。欧米では好んで栽培されますが、日本では本種はあまり栽培されてきませんでした。花色は白で、のちに黄色に変わります。
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 奥のベンチの脇で茂っているのが、「スイカズラ」です。とても強健な植物です。



[ローズガーデン]
【バラ “エリナ”】 バラ科 バラ属
 大輪の花をつける「HT(ハイブリットティー)」に分類されるバラで、花の形がよく整って、美しいです。白色で、中央がややクリーム色になります。
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 ローズガーデンでは、バラや宿根草が咲き乱れ、とてもきれいな季節です。

【バラ “フランソワジュランビル”】 バラ科 バラ属
 つるバラで、細い花茎がやや長く伸びるため、垂れ下がったように咲くタイプのバラです。当館で「バラのコテージ」に植えているバラの中では、花の径が大きく、見ごたえがあります。柱やアーチ、パーゴラなどに這わせて、花が下がる様子を見るのに適した種類だと思われます。
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 つるバラがいっぱいの「バラのコテージ」も、現在見ごろです。入り口にあるのが、この「フランソワジュランビル」です。