三陽ミュージアムでは、現在「菜の花フェア」を開催中です。外の宿根草園は冬枯れの景色ですが、その先の菜の花の花壇は今が見ごろ!黄色い花が、冬の寒さにもめげずに元気に咲いています。
 館内は、一足早くチューリップやヒヤシンスなど、春の花々でいっぱいです。春よりも気温の低い今の時期は、館内のお花が長持ちして、長い間とてもきれいな姿が楽しめます。ぜひ、春らしい館内でごゆっくりとお過ごしください。たくさんの皆様のお越しをお待ちしております。

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 前庭花壇の様子。菜の花が見ごろで、手前のラベンダー花壇と、宿根草の花壇の植物たちは、冬の間はお休み中です。ラベンダー花壇では、4月ごろにチューリップが見られます。



[アトリウムフラワーガーデン]
 アトリウムでは、チューリップ、ヒヤシンス、スイセンなどの春の球根類や、シンビジウム、オンシジウム、デンドロビウムなどの洋ラン類が咲き競うように咲いています。
 今回は、アトリウムを彩る黄色の花をご紹介しようと思います。

【ウンナンゲッコウカ(雲南月光花)】 アマ科 レインウァルティア属
 インド北部が原産の常緑低木です。成長すると、草丈が120cmほどになります。花は濃い黄色で、径が4cmほど。日当たりを好み、霜が降りないような地域では、戸外で越冬できます。
 アマの仲間らしい、薄い花びらの花です。たくさんの花が一度に咲いて、とても華やかです。
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 入り口を入ってすぐ右の花壇、奥の方で見られます。

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 次は、この花壇の花々をご紹介します。

【シンビジウム “幸運の宝船”】 ラン科 シンビジウム属
 おめでたい名前のシンビジウムで、花の色は山吹色のような、濃い黄色。花弁がややとがります。草丈が大きく、120cmほどあります。花数も多く、存在感のある花です。
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【オンシジウム “トゥインクル”】 ラン科 オンシジウム属
 とても細かい花を枝いっぱいにつける、オンシジウムの品種のひとつです。草丈はかなり小さく、30cmほど。花もとても小さいですが、数が多いのでボリュームがあります。ややクリーム色のような肌色のような色で、花に芳香があるのが特徴です。
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【オンシジウム “スターダスト フェアリーⅡ”】 ラン科 オンシジウム属
 こちらも上の「トゥインクル」と同じオンシジウムで、こちらも小さな花が特徴ですが、こちらはよく切り花で使われるような、総称の「オンシジウム」の形を、そのまま小さくしたような姿です。色はレモンイエローで草丈は50cmほど。“星屑の妖精”の名前の通り、小さくかわいらしい花です。
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 拡大するとこのような花です。こちらの品種は、香りがありません。

【チューリップ “サニープリンス”】 ユリ科 チューリップ属
 チューリップの中ではSE(シングルアーリー:一重咲きの早咲き)に分類されるチューリップで、草丈が40cmほど。咲きすすんでも、それほど丈の高くならないチューリップです。淡い黄色がかわいらしいです。同じシリーズに「ルビープリンス」(赤花)、「サーモンプリンス」(桃花)「パープルプリンス」(紫花)があります。外の花壇にもありますが、そちらが咲くのは4月になってからです。
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 アトリウム中央の花壇は、花壇の中に入れる撮影スポットです。

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 こちらの花壇も中に入れます。切株に座って、外側から写真を撮ると…

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 ハートの中にお顔が入るしかけです。ぜひ、記念撮影にご利用ください!



[温室]
【オオベニゴウカン】 マメ科 カリアンドラ属
 ボリビア原産の常緑樹で、長い雄しべが半球状に広がった花をつけます。花の形から、英語では「レッドパウダーパフ」(赤い化粧刷毛)という呼び名もあります。属名の「カリアンドラ」は、ギリシア語の「美しい」と「雄しべ」からきています。当館では例年、1月~2月ごろによく咲きます。
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 名前の「ゴウカン(合歓)」は、「ネムノキ」のことです。花の形がよく似ています。

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 温室2階、橋の脇で見られます。



[キッチンガーデン]
【カリフラワー】 アブラナ科 アブラナ属
 カリフラワーはキャベツやブロッコリーと同じ、アブラナ属の野菜です。食用にする部分は、まだ未熟なつぼみにあたる部分で、春になると長く花茎を伸ばし、「菜の花」が咲きます。市販されているような、真っ白なカリフラワーは、遮光(光をさえぎる)をして育てますが、当館のようにそのまま育てると、黄色っぽい色になります。
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 食べごろにもまだ満たない、小さな花蕾(つぼみの集まり)をつけています。

【ローズマリー】 シソ科 ロスマリヌス属
 地中海沿岸地方が原産の常緑低木で、ハーブとしてよく知られます。葉を煎じた茶を頭痛薬に用いたり、若く新鮮な葉茎は料理の香辛料として利用します。増殖するときはさし芽でもよく増えます。育てやすく、小さな花がかわいらしく、香りも楽しめる、とても優秀な植物です。
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 キッチンガーデンの大きな株がよく咲いています。



[前庭]
【スノードロップ】 ヒガンバナ科 ガランツス属
 スノードロップはヨーロッパからコーカサスにかけて分布する、秋から春に咲く球根植物です。日本でよく流通するのは、トルコ原産の「エルウィジー(elwesii)」種です。和名は「マツユキソウ(待雪草)」といいます。前庭で見ることができ、今回写真に撮ったものは草丈が10cmにも満たない小さな花です。
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 垂れ下がって咲く白い花がとてもかわいらしいです。

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 宿根草花壇、エリカの根元のあたりにあります。



[ローズガーデン]
 ローズガーデンでは、春に向け、冬のバラの剪定作業が徐々に進んでいます。冬枯れの庭で、力強く葉を伸ばし、力を蓄えているのが写真の緑の葉、クリスマスローズです。花は3月ごろに見られると思います。
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