三陽ミュージアムでは、現在「おもしろ植物フェア」を開催中です。アトリウムの花壇展示「観葉植物と流木のトロピカルガーデン」と、おもしろ植物フェアの期間も、今週いっぱいとなりました。
 
今週は、暑い夏の展示期間中も元気に花壇を彩ってくれた葉ものから、見ごろの花をご紹介しようと思います。


[アトリウムフラワーガーデン]
【アロカシア “ヒロビューティー”】 サトイモ科 アロカシア属
 アロカシアはサトイモによく似た「クワズイモ」という植物の仲間です。色や模様、大きさがさまざまな、園芸品種が多数あります。この「ヒロビューティー」は、40cmほどの長さの葉で、草丈が80cmほどになる大型の品種で、濃い緑色の中にまだらな模様が入るのが特徴的です。
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【アロカシア “クプレア”】 サトイモ科 アロカシア属
 こちらもアロカシアですが、葉の長さは20cmほどで、丈も30cmほどの小型の品種です。葉は矢じり型にはとがらず、楕円形に近いです。紫色を帯びた黒葉で、つやがあり、葉の縁にとても細い白い縁取りがあります。
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【コルディリネ “アイチアカ”】 リュウゼツラン科 コルディリネ属
 8月13日のブログでご紹介した、アトリウムのコルディリネが花をつけました。「アイチアカ(愛知赤)」の品種名の通り、葉がかなり赤い種類なのですが、花茎や花も赤みの強い色をしています。花は枝分かれした穂状の花で、ひとつひとつは径2cmほどで、とても小さいです。雄しべの黄色がよく目立ちます。
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 南国リゾートのような花壇とも、あと1週間でお別れです。



[光庭]
【ナンバンギセル】 ハマウツボ科 ナンバンギセル属
 ナンバンギセルは、国内各地に自生する一年草で、ススキやチガヤ、カヤツリグサ、ミョウガなど、単子葉植物の根に寄生する寄生植物です。名前は、花の形が南蛮人が口にくわえるパイプに似ていることにちなみます。
 別名の「オモイグサ」(思草)は、万葉集にも登場する古い名前です。
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 足元の、草が茂った鉢で見られます。


[植物企画展]
 植物企画展は、9月16日まで「グリーンカーテンにできるおもしろつる植物展」を開催しています。この時期になって開き始めた花もありますので、一度見たという方でも、ぜひまたご覧ください。また、来週からは同じく光庭で「コスモス展」が始まります。どうぞお楽しみに!


【シカクマメ】 マメ科 シカクマメ属
 シカクマメは、四角いさやの豆をつけるマメ科の植物で、沖縄地方ではさやを炒めものなどにして食べます。現在、光庭にあるシカクマメは伸びている途中で、花が咲きました。花は空色で4cmほどの大きさです。花だけでも十分に美しいです。
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[温室]
【ベニヒモノキ】 トウダイグサ科 アカリファ属
 西インド諸島が原産で、園芸界では「サンデリー」という名前で呼ばれることがあります。アカリファ属の植物は、葉を観賞するものが多いのですが、この「ベニヒモノキ」は、花を観賞します。ふわふわとした花がひものように長く伸びるのが特徴で、長いものは40cmをこえるほどです。
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【シロヒモノキ】 トウダイグサ科 アカリファ属
 上の「ベニヒモノキ」の変種で、花は同じ形ですが、白色です。ベニヒモノキの隣に植栽してあります。
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 温室1階、池の脇で見られます。


【アカリファ ウィルクシアナ “ジャワホワイト”】 トウダイグサ科 アカリファ属 
 太平洋の、パプアニューギニアにほど近い、ニューブリテン島が原産です。大型の低木で、鉢植えや花壇用に利用されます。上の2種に対し、こちらは葉を観賞するアカリファの仲間で、本種も明るい色の葉に細かく斑点が入り、美しいです。現在花をつけていますが、花はほとんど目立ちません。
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 温室1階、中庭との出入り口付近で見られます。



[ベランダガーデン]
 ベランダガーデンでも、光庭の「コスモス展」と同じく来週(9月18日)から、植物企画展の「コリウス展」が始まります。
 現在、シソのような形でカラフルなコリウスの展示を準備中です。一気に秋らしい雰囲気になってきました。 

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[前庭]
 前庭では、コスモスが成長中です。
 現在は70cmほどの高さになりました。次々に花をつけながら、すくすく育っています。
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【センニチコウ “ストロベリーフィールド”】 ヒユ科 ゴンフレナ属
 センニチコウはヒユ科の一年草または多年草で、苞の部分が美しく色づき、長く花が楽しめることが名前の由来です。苞はさわるとカサカサとしていて、ドライフラワーに向きます。グロボーサ種とハーゲアナ種が花を楽しむセンニチコウとして一般的で、「ストロベリーフィールド」は、このうちハーゲアナ種(キバナセンニチコウ)の園芸品種で、明るい赤色の苞が魅力の人気品種です。
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 前庭の宿根草花壇の中で見られます。



[ローズガーデン]
【フヨウ】 アオイ科 ヒビスクス属
 先週のブログでは、八重咲きの園芸品種「スイフヨウ」をご紹介しましたが、こちらは一重咲きの「フヨウ」です。 フヨウは国内では四国、九州南部、琉球諸島に自生する低木です。ローズガーデンでは、公園のパルコース側に一株あります。花の色は白で、一日花なのはスイフヨウと同じですが、こちらは時間が経っても色が変わりません。
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