三陽ミュージアムでは、現在「ローズフェア」を開催中です。春の気温が高かった今年は、桜やチューリップもそうでしたが、去年に比べると1週間ほど花の開花が早まっているようです。バラも例外でなく、現在満開を迎えています。
 宿根草も元気に育っています。梅雨入りも近そうですが、草花がいちばん元気良く育つ、この季節の庭をお楽しみください。

 こんどの日曜、6月2日は、「ローズデー」というイベントを予定しております。ローズガーデンでの物販やキッチンカー、コンサート、館内でのタッジーマッジー(ハーブを使った花束)作りやバラのサシェ(香り袋)作りの体験教室、バラの専門家で当館の園芸相談員でもある野村和子先生の講演などを予定しています。
 詳しい時間や場所は、ホームページ内の「イベント情報」というページでご紹介しておりますので、ご覧いただくか、直接お問い合わせ下さい。

 皆様のお越しを心よりお待ちいたします。


[アトリウムフラワーガーデン]
【ハイドランジア “ピンクのアナベル”】 ユキノシタ科 アジサイ属
 「アナベル」は、北アメリカ東部~東南部に分布する「ハイドランジア・アルボレスケンス」種(和名は「アメリカノリノキ」)の園芸品種で、ひとつの花は日本のアジサイよりかなり小型です。初夏に白い花を咲かせますが、今回アトリウムで見られる「ピンクのアナベル」は、名前の通り花がピンク色で、まだ流通が少ないのかあまり目にする機会のない品種です。
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【ヘリクリサム】 キク科 ムギワラギク属
 今回アトリウムで使用している「ヘリクリサム」は、「帝王貝細工」や「ムギワラギク」と呼ばれる植物です。オーストラリア原産で、花びらに見える部分は総苞片(そうほうへん)という、葉の変化した器官です。遠目ではわかりませんが、さわるとカサカサとしています。
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 窓の部分は、鏡になっていて周囲を映すので、空間がより広く、華やかに感じられます。
 

【ヤマアジサイ “藍姫”】 ユキノシタ科 アジサイ属
 ヤマアジサイは、日本に古くから自生するアジサイのひとつです。アジサイやガクアジサイに比べると全体に小さく、葉や枝がほっそりとしています。園芸品種も数多く、この「藍姫」のような深い藍色、紫、白、赤など、装飾花の色が鮮やかで多彩です。西洋アジサイとの交配にも使われることがあります。
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 アトリウム中央の花壇で見られます。


[光庭]
[植物企画展]
 光庭では、「花を楽しむハーブ展」を開催中です。ハーブの鉢植え20種以上を展示し、現在、ナスタチウム、キバナノコギリソウ、チャイブ、ラベンダーなどの花が見られます。ご入館の際は、どうぞお立ち寄りください。
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[温室]
【ヘミグラフィス アルテルナタ】 キツネノマゴ科
 マレーシア原産の植物で、熱帯の地域ではグラウンドカバーとしてよく栽培されます。葉の表面は銀灰緑色で裏は暗赤紫色と、葉の色が特徴的な植物でそれだけでも美しいのですが、現在小さな花をつけていて、見ることができます。花は白く、小さいですが、かわいらしいです。
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 温室1階の階段よりさらに奥、果樹のコーナーで見られます。



[キッチンガーデン]
【パセリ】 セリ科 ペトロセリヌム属
 パセリは別名「オランダゼリ」、草丈が60cmほどになる2年草または多年草で、独特の香りがある葉を食用にします。利用の歴史は古く、古代エジプトですでに食用にしていました。日本では縮葉が一般的ですが、ヨーロッパなどでは、セロリに似た平葉の品種が一般的です。ちなみに千葉県は、全国でもパセリの生産が多く、平成22年度の調査では長野県に次いで全国第2位だそうです。残念ながら、花はあまり良い香りではありません。
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 キッチンガーデンでは、野菜類の花が咲くまで展示することが多く、時期によって野菜の花が見られることがあります。



[前庭]
 前庭では、宿根草花壇の花が咲きはじめ、とても賑やかな様子になってきました。

【アリウム ギガンチウム】 ユリ科 アリウム属
 この時期、前庭で大きな丸い花がとてもよく目立ちます。アリウム属はネギやニラ、ニンニクなども含まれる仲間で、この「ギガンチウム」種は中央アジア原産、花壇植えにして花を楽しみます。草丈が120cmほどにもなり、球形の花の集まりが太く長く伸びた花茎の先につき、とても存在感があります。三陽ミュージアムでも、例年5月終わり~6月のはじめ頃に開花します。
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【サルビア “インディゴスパイヤー”】 シソ科 サルビア属
 こちらも宿根草で、毎年見られる青紫色の花です。この季節から秋まで、次々に花をつけ、草丈は150cmをこえるほどになります。とても大柄なサルビアで、別名はラベンダーセージ。今の時期は、青い花が好きらしいクマバチが、この花の蜜を吸いに飛び回っている姿がよく見られます。
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[ローズガーデン]
【マロウ】 アオイ科 ゼニアオイ属
 マロウは、南ヨーロッパが原産のアオイ科の植物で、和名は「ウスベニアオイ」、学名は「マルバ・シルベストリス」といいます。大きく育つと草丈2mにもなります。葉の付け根の部分に径5㎝ほどの花をつけます。食用や民間薬に使うハーブで、花を利用したハーブティーは、元々青色のお茶がレモンを入れるとピンク色に変わり、見た目にも楽しいです。
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 ローズガーデンの入り口、「ハーブの小庭」で見られます。

【バラ “ラバグルート”】 バラ科 バラ属
 中輪で多花性の「フロリバンダ(FL)」に分類されるバラで、深い赤色の花が魅力です。「バラの海」のコーナーの、赤色の花を集めた花壇の中でも特に目立っている花です。 
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【セントーレア ディールバータ】 キク科 ヤグルマギク属
 コーカサス原産で、草丈50~60cm、葉に深い切れ込みがあります。ヤグルマギクと同じ属ですが、こちらは多年生で、毎年花が見られます。ピンク色のアザミに似た花が美しいです。写真の丸いものはつぼみで、まだまだ花が見られそうです。
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 ローズガーデンでは、バラとともにたくさんの宿根草が植わっています。どうぞ、合わせてお楽しみください。