今回のアトリウム花壇の展示テーマは「世界で初めのクリスマス」。クリスマスの始まりに思いをはせつつ、どうぞごゆっくりと花々をお楽しみください。
今週末、12月12日(土)には、イベント「キャンドルナイト」を開催いたします。暗くなってからの館内では、ろうそくに照らされた、いつもと違った表情の花壇をお楽しみいただけます。ぜひお越しください。
それでは、今回も館内の花壇の様子などと合わせて、見ごろの花をご紹介します。
[アトリウムフラワーガーデン]
入り口の花壇。羊飼いが連れている羊たちは毛が松ぼっくりです。
アトリウム中央の花壇には、巨大なツリー型オブジェが。花壇は花でいっぱいです。
【ポインセチア "ゴールド"】 トウダイグサ科 ユーフォルビア属
品種名「GOLD」とタグにあるのですが、新品種のようです。苞の色はピーチイエローで、時間の経過とともにオレンジイエローに変化します。葉脈の周りは黄色みが強く、そのほかの部分は桃色に近い優しい色の品種です。上の写真、手前側の花壇で見られます。
【アメリカンホーリー】 モチノキ科 モチノキ属
和名はアメリカヒイラギ、北アメリカの東部から中部に分布するヒイラギの仲間で、和名は「アメリカヒイラギ」。「クリスマスホーリー」という商品名で流通するものは、冬に実をつけるこの「アメリカンホーリー」や、中国原産の「チャイニーズホーリー」(和名ヒイラギモチ)が多いです。いずれもヒイラギと名前につき、とげ(鋸歯:きょし)のあるかたい葉が特徴ですが、ヒイラギはモクセイ科モクセイ属、本種はモチノキ科モチノキ属。まったく別種の植物です。
【チャイニーズホーリー "オースプリング"】 モチノキ科 モチノキ属
上にあるアメリカンホーリーのご紹介の中でも触れましたが、和名は「ヒイラギモチ」。原種は中国から朝鮮半島に分布します。今回の展示に使用しているのは斑入りの品種で、実がついていない代わりに葉に入る黄色の斑が明るく花壇を彩ります。葉にはやはりとげがあります。
アトリウム中央の花壇のお隣の花壇で見られます。
いろいろな種類のポインセチアが華やかなアトリウム中央の花壇。横から見ると株の大きさがそれぞれ違い、立体的に楽しめます。
同じ花壇をアトリウム2階の通路から見ると、こちらからは苞の大きさや色を比べて楽しめます。
アトリウムいちばん奥、多肉植物の小さな街並みの花壇もクリスマスの景色です。
このほか、中庭側の窓際のスペースでは、植物企画展「ポインセチア&クリスマスフラワー展」を開催中。名札がついていますので、ポインセチアなどの品種名がよくわかります。育て方やマメ知識もポスターで展示してありますので、どうぞご参考になさってください。
[温室]
温室入り口も、少しだけクリスマス風になっています。輝くトナカイたちがお出迎えです。
【ウナズキヒメフヨウ】 アオイ科 マルバビスカス属
中米から南米北部が原産の低木で、垂れ下がって咲くのを頷く(うなずく)のに見立てた名前です。つぼみの時は上を向いていて、花が開くと下に垂れ下がります。花は開ききらず、細長い印象です。
この状態が「咲いている」ところです。花が終わってしまったわけではないですよ!右上に上向きのつぼみも見えます。
温室の階段、2階に近いところで見られます。
【バルボフィラム ロンギフロラム】 ラン科 バルボフィラム属
バルボフィラムはランの中でもいちばん多くの種があるグループで、東南アジアを中心に、ほとんど全世界の熱帯、温帯に分布します。この「ロンギフロラム」は、タイ南部やマレー半島が原産の小型種で、細く伸びた花茎の先に小さな花を扇形につけます。冬から春に開花する種類です。
エアープランツを集めたコーナーで、一緒に展示しています。現在開花中です。
[キッチンガーデン]
屋上ベランダガーデンから、さらに上にあがったところにあるキッチンガーデンでは、冬野菜が見られます。キャベツや水菜、春菊など、冬の食卓に登場するような野菜たちは、寒さの中でも元気です。
[屋上庭園]
市民展示室や図書室の脇の扉から外に出ると、屋上日本庭園とコニファーガーデンがあります。ウッドテラスからは、前庭が一望できます。
前庭の冬の花壇の模様は「あやとり」のデザインです。
【グレヴィレア ラニゲラ】 ヤマモガシ科 グレヴィレア属
冬に咲く面白い形の花として、このブログでも毎年のようにご紹介しています。グレヴィレアはオーストラリアを中心に分布する常緑の植物で、種類によって、葉の形や樹形が色々あり、この「ラニゲラ」は針葉樹のようなかたい葉をぎっしりつけ、地面を這うように伸びます。花の形はカタツムリのようで面白いです。草丈は30cmほど、花は径が1~2cmで、全体的に小ぶりな植物です。
写真の真ん中は「ハイビャクシン」という針葉樹、その左隣にあります。よく茂って、毎年よく咲いてくれます。
[ローズガーデン]
ローズガーデンでは、秋バラの名残のバラがちらほらと咲いています。色づいた木々の葉と一緒に楽しめます。
こちらはイングリッシュローズの「ジュード・ジ・オブスキュア」。つるがよく伸びる種類です。春の花よりも赤みが強いように思いますが、背後にある黄色く色づいた葉のせいでしょうか。