花の美術館では、コスモスフェアが始まりました。前庭でも館内でも、たくさんのコスモスが見ごろを迎えています。
 館内アトリウムでは「印象派クロード・モネから学ぶ」という展示テーマで、モネの庭をイメージした秋の草花の花壇をご覧いただけます。
 また、植物企画展は光庭で「コスモス展」を、屋上ベランダガーデンで「コリウス展」を開催中です。
 一気に秋らしくなった花の美術館を、どうぞお楽しみください。

[植物企画展]
[光庭]
 光庭では「コスモス展」が始まりました。一重や八重など、鉢植えのコスモス14種類を展示しています。
【コスモス“ダブルクリック ローズボンボン”】 キク科 コスモス属
 八重咲きのコスモス「ダブルクリック」の品種のひとつです。ボリュームのある花形が特徴で、ピンク色の花の咲く種類です。

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[ベランダガーデン]
 ベランダガーデンでは「コリウス展」として、33種類のコリウスを展示しています。
 コリウスはアジアからオーストラリア、アフリカまで熱帯の幅広い範囲に分布するシソ科の多年草です。枝の伸び方や、葉の形から、「ハンギングタイプ」「プチタイプ」「ウェーブタイプ」「ベーシックタイプ」と分類され、今回はその分類ごとに展示しています。
【コリウス“レモン”】 シソ科 コリウス属
 この「レモン」は、ベーシックタイプのコリウスで、目の覚めるような明るい黄緑色の葉色です。縁取りなどは入らず、株全体が黄緑色です。こんもりとした形に育っています。

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[アトリウムフラワーガーデン]
 アトリウムでは、モネの庭をイメージした花壇の展示が始まりました。コスモス、ダリア、ガーデンマム(菊)など、秋の花々が彩る花壇をお楽しみいただけます。

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 エントランスも今回の展示に合わせ、花の額縁になりました。

【ダリア“黒蝶”】 キク科 ダリア属
 ダリアはメキシコやグアテマラが原産の多年草で、地下に塊根(かいこん)をつくります。園芸上では、花の大きさや花の形、草丈などによって分類されます。
 「黒蝶」は「デコラティブ咲き」という咲き方に分類される品種で、花の径は10cmほどあり、大きいです。濃紅色の深い色味が魅力的です。

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 受付を過ぎて、すぐ左側の花壇で見られます。 


【トルコギキョウ】 リンドウ科 エウストマ属
 北アメリカからメキシコにかけて分布する植物で、日本には昭和10年代に導入されました。キキョウの名がつきますが、リンドウ科です。カップ型の花を上向きにつけます。園芸用の品種改良により、切り花も多く流通しています。花色は紫、ピンク、白、などです。草丈も、50cm~150cm、用途によってさまざまです。

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[温室]
【ハイビスカス アーノッティアヌス】 アオイ科 ヒビスクス属
 ハワイのオアフ島原産の小高木で、高さは3mから9mになります。花は白色、まれに淡い桃色を帯びます。花柱(かちゅう:おしべとめしべのまとまり)は長く、赤色で美しいです。温室では橋を渡った先、中庭の出入口付近で見られます。

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【リュエリア エレガンス】 キツネノマゴ科 リュエリア属
 ブラジル原産の多年草で、草丈は20~25㎝。赤色で、先端が5裂する筒状の花を横向きにつけます。ほぼ周年開花します。温室の2階への階段を上がらず、奥に進んだ果樹コーナーで、足元で開いています。

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[屋上日本庭園]
【斑入りススキ】 イネ科 ススキ属
 ススキは、東アジアに10種、そのうち7種が日本国内に分布する大型の多年草です。秋に美しい花穂を出し、秋の七草のひとつとしても知られます。花の美術館のものは「シマススキ」という園芸品種だと思われます。このほかにも、矢羽のような形の斑(ふ)が入る「タカノハススキ」、葉が細くなる「イトススキ」などの園芸品種があり、鑑賞用に使われます。

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 同じ屋上庭園からは、前庭が一望できます。


[前庭]
【サルビア コクシネア】 シソ科 サルビア属
 北アメリカからメキシコ、南アメリカにかけての地域が原産の植物で、暖地の原産地では多年草になりますが、日本では非耐寒性の一年草として扱われます。赤色、桃色などの花色があり、高さは30~60cm。暑い夏にも開花する、とても丈夫で、育てやすい植物です。

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[ふるさとの道]
【ハギ】 マメ科 ハギ属
 ふるさとの道にあるハギ(萩)の一種がよく咲いています。ハギも、上で紹介したススキとともに秋の七草のひとつとして知られます。ハギの仲間はマメ科の落葉低木で、東アジアと北アメリカ東部に約40種が分布します。国内で数種類が分布するほか、園芸品種も多くあります。古くから庭植えにしたり、工芸や絵画に取り入れられたりと、秋の花として好まれてきました。

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